横浜の弁護士による離婚・慰謝料相談

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有責配偶者からの離婚請求

 裁判での離婚が認められるためには、民法770条1項1~5号に規定された離婚原因が、配偶者に存在していることが必要です。
 では、自分には民法770条1項1~5号の離婚原因が存在するが、配偶者にはないという場合は、裁判で離婚を請求することはできないのでしょうか。
 不倫した者の方から離婚を請求する場合などがこれにあたりますが、この場合に離婚を請求することはできないのでしょうか。

 かつては、離婚原因を作った配偶者の側からの離婚請求は認められませんでした。
 しかし、現在は次の3要件を満たせば認められます。

 すなわち、
①夫婦の別居期間が、2人の年齢・同居期間と比べて、相当の長期間に及ぶこと

②経済的に独立して生活すべきと社会が認める年齢に達しない子ども(未成熟子)が存在しないこと

③離婚請求を認めることで、相手方配偶者が、精神的・社会的・経済的に極めて苛酷な状態におかれる等の特段の事情がないこと。

です。

 判例においては、

(1)不貞を働いた妻からの離婚請求について、「夫は,離婚する意思はなく、自分は妻を必要としているとして婚姻の継続を望んでいるとはいうものの、その真の理由の大半は、前示のような行動に走つた妻から離婚を求められるいわれはないとの確固たる気持ないし被上告人に対する意地あるいは憎悪感という感情的なものにすぎず、被上告人との関係修復を実現可能なものと捉えて真摯かつ具体的な努力をした跡は窺えず、……妻に生活費や治療費を送金したり見舞いその他の音信を寄せたりしたことも全くなく、また、……年に約四〇〇万円の収入を得ていて経済力の点では妻に勝り、妻からの扶養や相続を期待すべき状況にはなく、妻との法律上の婚姻関係を解消されることによつて失うものは少ない」ため、離婚を認めました(最高裁判所判決昭和63年12月8日家月41巻3号145号)。

(2)不貞を働いた夫からの離婚請求について、「子供達は現在高校三年生と中学二年生に達しているものの、なお未成熟子であって、両親の養育・監護を要する期間は、今後なお相当の期間に及ぶし、特に二男は多感の年代にあることを考慮すると、両親の離婚は、子供達にとっても、少なからぬ精神的打撃を与えるであろうことが推認される。夫は、別居後現在まで、……月々の送金のほか、折に触れて子供達の教育費用等の送金をしており、今後も、子供達が大学を卒業するまでは、同程度の生活費及び教育費の負担をする意思を持っている。しかしながら、月々の送金については、それが控訴人らの生活費を賄うのに十分なものでないこと」を考慮し、夫からの離婚請求を棄却しました(東京高判平成9年11月19日判タ999号280頁)。

これらの例があります。

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